鳥獣害対策のポイント
サル、シカ、イノシシ・・・最近ではアライグマやハクビシンなど、野生鳥獣による
農作物被害が後を絶ちません。
対策に取り組む前に、まず基本となるポイントをおさえましょう!!
1.相手(動物)を知る ・・・ みんなで楽しく「動物の勉強」
2.自分(周囲の状況)を知る ・・・ 「守れる畑・集落」に変身
3.出来る範囲で防止柵 ・・・「生長させる」囲いづくり
Q:どうして被害がおきるの?
A:みんなで『餌付け』しているからです。
以下に当てはまるものがあるなら、気付かずに餌付けしている可能性があります!
□生ゴミや収穫後のクズ野菜は堆肥になるので畑に捨てている
→ 動物にとってはご馳走です
□近所に誰も利用していない果樹がある → サルなど野生動物の餌付け&人慣れが進みます
□近くに野生化している作物がある
□お墓のお供えは持ち帰らない
→ ほっておくと“線香の煙がエサの合図”になりかねません
□耕作放棄地が多い → 動物たちの“潜み場”になっています
□水田のレンゲやヒコバエ(遅れ穂)を食べていても暖かく見守っている
→ 追い払わないと動物たちはますますつけ上がります
>他にも気付いていないものがまだまだあります!

Q:集落には何種類の動物のエサがあるの?
A:2種類しかありません
(1) 食べたら人間が怒るエサ ・・・ 大事な農作物
(2) いくら食べても誰も怒らないエサ ・・・ クズ野菜、生ゴミ、放任果樹、節分の豆まき、キャンプ場の残飯・・・
誰も怒らないエサを放置していること自体が餌付けです!
Q:守れる畑・集落にするには? = エサ場と思わせない方法は?
A:集落みんなで動物に『嫌がらせ』(虐待ではありません)
□まず“みんなで取り組む”ことが重要です。無理せず出来ることから始めましょう。
□“この集落にきても簡単にエサが食べられない”と思わせましょう。
□野菜クズ、生ゴミなどは鋤き込む、コンポスト化する。そのまま捨てない。
収穫しない作物は抜いて枯らし、スイカなどは割ってしまう。
□放任果樹は切ってしまう。 =サルの逃げ場も減り、見通しもよくなります。
□お墓のお供えは持ち帰る。
□柵で囲う = いいエサ場と思わせないための嫌がらせ手段です。
“隣りが囲ったから被害が増えた”という考えは間違いです。
まだまだあります。ひとりでも多く、出来ることから始めましょう!
Q:動物が臆病って本当? それならどうして里に出てくるの?
A:本当です。 怖くなくなったから近づくのです。
□“食べても怒られないエサ”を食べても誰も追ってこないので、怖くなくなってきます。
見つけたら追い払いましょう!
□耕作放棄地などは絶好の“潜み場”となっています。
→ 人が近くにいても、藪に潜んでいることがあります。その中で人や車、生活音に慣れていきます。(音がするだけで危険はない、と学習します)
→ 雑草を刈り払うだけでも隠れる場所がなくなり、近づきにくくなります。
□多くの動物は“目で見て”安全を確認します。
→ “エサを見せない工夫”をすることも重要です。
イチゴやトマトなどは外から見えない側に実をならす、
視界を遮る資材を使用するなど、いろいろな工夫をしましょう。
Q:どんな柵がいいの?
A:“どんな柵”より“どんな張り方や管理がいいか?”が重要です!
□設置しっぱなしの柵は動物の学習を助けてしまいます。
設置によって外側はかえって人足が遠のく場合があり、動物に侵入のチャンスを与えてしまいます。 見回りなども並行して行なうと、嫌がらせ度がアップします。
□入られたら早めの対応。 柵は“生長させて”はじめて意味を持ちます。
“簡単にエサが食べられない”工夫をみんなで考えましょう!
資料作成: ネクスタ株式会社
(ネクスタは奈良県農業総合センターと鳥獣害対策資材の共同研究を行っています)